VF Corporation が2022年度に Supreme 買収による650億円以上の収益増を見込む
2020年11月に〈Supreme(シュプリーム)〉を買収した「VF Corporation」が、2021年度の第4四半期と通年の決算を発表した。
〈THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)〉〈Vans(ヴァンズ)〉〈Timberland(ティンバーランド)〉〈Dickies(ディッキーズ)〉などの親会社である同社。2021年度通年の売上高は7%減の約92億ドル(約1兆円)となったが、中華圏での収益は24%増を記録。また〈Supreme〉買収後の第4四半期の収益は、23%増の26億ドル(約2,800億円)となった。また、来たる2022年度の収益の見通しは〈Supreme〉からの約6億ドル(約654億円)を含む、約28%成長の約118億ドル(1兆2,850億円)と想定。
THE NORTH FACE の親会社による Supreme 買収で何が変わる?
「VF Corp」傘下以外のブランドとのコラボレーションは継続される
昨日報じられた「VF Corporation(VFコーポレーション)」による〈Supreme(シュプリーム)〉買収。アメリカ・デンバーを拠点とする同社は、〈THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)〉〈Vans(ヴァンズ)〉〈Timberland(ティンバーランド)〉〈Dickies(ディッキーズ)〉などの親会社として知られる。これらの多くは〈Supreme〉の定番コラボレーターとして、ファンの間では既にお馴染みだろう。
その買収額は21億ドル(約2,200億円)とレポートされているが、本パートナーシップによって〈Supreme〉は今後どのような道を歩むのか。“何も変わらない”というのが正解かもしれない。James Jebbia(ジェームス・ジェビア)のブランド残留は発表されているし、「VF Corp」傘下以外のブランドとのコラボレーション継続も約束されている。Jamesは今回の買収に際し次のようにコメント。「THE NORTH FACE、Vans、Timberlandなど、我々が長年にわたって協業してきた優秀なブランドを傘下に持つ世界クラスの企業であるVFに加入できることを誇りに思います。このパートナーシップは、我々の独自の文化と独立性を維持しながら、Supremeを設立した1994年以来歩み続けている同じ道を進むことを意味します」
先述したように、〈Supreme〉は既に「VF Corp」の抱える主要ブランドとは旧知の仲。〈THE NORTH FACE〉は2007年から、〈Vans〉に至っては創業間もない1996年からコラボレーションを行っている。〈Timberland〉は両者に比べるとやや遅く、2011年に「VF Corp」傘下に。同年に〈Supreme〉とのコラボブーツを発表している。近年、ほぼ毎シーズンこの3ブランドはコラボパートナーとして登場しており、これ以上コラボレーションが増えるのもやや考えにくい。強いて挙げるのであれば、今後〈Supreme〉は「VF Corp」のプラットフォームを活用できるので、販路が広がる可能性はある。Jamesのコメントを考慮すると、もし〈Supreme〉がそれを望めばということにはなるが……。今後の動向にも要注目だ。